黒猫亭舊館
黒猫亭主人謹製藏書録・贅言他
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2008.05.29(Jeu)06:15  近松プロジェクト vol.3
chika2008a.jpg 600×847 163K 明日が初日になっちまってますが、二年ぶりに再来日の近松プロ。例によって、宣伝美術とかパンフとか仕込み要員とかやってます。
 スタッフも大体前回と同じですが、舞台監督の康平くんは、今回もきっぱりと日本語だけで完璧にコミュニケーションしてました。すばらしい。 

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湯浅版『今宮の心中』Lovers' Suicides at Imamiya

原作       近松門左衛門
翻訳・戯曲・演出 湯浅雅子

大阪●精華小劇場(無料)
 2008年5月30日(金)19時〜 / 5月31日(土)14時〜
東京●早稲田大学小野記念講堂(無料)
 2008年6月5日(木)19時〜 / 6月6日(金)14時〜
英国●グリーンサイド(7ポンド)
2008年8月18日(月)〜23日(土)18時開演
エジンバラ国際演劇祭フリンジ参加

主催■大阪市立大学・大阪市・早稲田大学・ハル大学

http://www.chikamatsuproject.com/
  • 黒猫亭主人 (2008/05/30 07:09)
    えー、照明は浪花グランドロマン鬼無くんです
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2008.05.26(Lun)07:15  JR日暮里の修悦体
 文学会二日目終了後、年に一度の上京とて、谷中の長命寺へ墓参りにゆく。墓地の入り口に、なにやら立て札が立ってゐて、関係者の不明なお墓は、今年の10/1までに申し出てもらへなければ、無縁仏として合葬するといふ。江戸時代の苔むしたお墓は納得もゆくが、まだ新しいお墓の前にも札が立てられてゐたりして、世の無常を感ずる。

 青学から行ったので、千代田線で千駄木からであったが、帰りはJR日暮里から。現在改装中の日暮里駅、かの佐藤修悦さんがガムテで描く「修悦体」による看板を発見。噂には聞いてゐたが、こんなところで実物にお目にかゝらうとは。

佐藤修悦さん公式ブログ
http://shuetsu-tai.jp/wp/

(変はりゆく日暮里東口。をっちゃんが寝てたりするのは相変はらず)
(元は、かういふ仮説現場のサインボードから)
(構内にも堂々と修悦ボード)
(こんなのも)

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2008.05.25(Dim)06:17  日本フランス語フランス文学会春季大会2008@青山学院大学
P1000993.jpg 800×600 114K 駒場の大学センターでの仕事やってたときからの東京での定宿、コープイン渋谷は、かつてちゃんとした朝ご飯が出てゐたが、現在は、パンとコンビニおにぎりとゆで卵とおいなりさんの簡易朝食に。1Fのホールにゆくと、センター試験仲間の山崎さんと会ふ。彼とは、センターやってるときにも、この食堂でよく朝食を一緒したものであった。
 流石に会場が青学だけあって、他にも仏文関係者がちらほら。ひろぴー先生とも遭遇して、朝食摂りながら雑談。GPの書類書いてんですよ、てふと、現在奈良女文学部の評議員である彼、やっぱりGPの書類をチェックせねばならんのださうで、しばしGPバナシに。
 さて、午前中が語学会、午後から文学会。大会受付の事務局ブースでは、早速りえっちに、ちゃんと靴を履いてるかどうかをチェックされ、「あ、ちゃんと靴はいてる!」と云はれる。彼女、毎年々々これをやるのだが、どうも雪駄で来るのを期待してるフシがある。
 招待講演のパリ第3大学 Mary-Annick MOREL [マリ=アニック・モレル] 先生のハナシは、共発話者(coénonciateur[コエノンシアトェール])の同調について。大変興味深いタイトルであったが、概説と事例報告てな感じ。しかし、滑舌よく、声も良いので、良く聞き取れ、まるでこっちの聴解力が上がったかのやうな錯覚に陥るほどであった。
 その後、賛助会員のブースでは、白水社のワッキーと芝居談義。名古屋出身の柴幸男の評判がよいと教へてもらふ。さらに、朝日のブースに鶴ちゃんがゐるのを発見。なんでも、ミカの産休中の代理で呼ばれたさうで。この鶴ちゃん、かつてわれわれの教科書を担当してくれたひとで、その後、寿退社、と思ったら、白水社の『ふらんす』編集担当に転身、と思ったら、一瞬にしてご懐妊退社してしまひ、われわれを驚かし続けた経歴を持つ。それ以来、5年ぶりの対面であったが、小生が独身であると聞くと、大いに驚き、いろいろ喋りはじめた。なんでも、当時は、小生にアタックしてゐて、すーちゃんに相談までしてゐたらしい。すんません、気がつきませなんだ(^-^;)。そして、「わたしが編集やってるあひだに、また教科書を」と云ふのであった。
 懇親会中には、かつてフランスで家庭教師してもらってたヴァンサンと再会。だいたい、この学会の懇親会で会ふのだが、彼は、翌日、学会発表をするのである。フランスで本も出したらしい。勤勉なことである。懇親会後は、柏木元副会長、吉川現副会長らに拉致られる白水社のミドリを見捨て、ワッキーとともに居酒屋へ。ふたりでさらに芝居談義を続けたのであった。

(講演会場は礼拝堂。机はないが、聖書と賛美歌書はある)
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2008.05.25(Dim)06:17  日本フランス語教育学会春季大会2008@青山学院大学
P1000990.jpg 800×600 117K 10:30から理事会なので、7:00の新幹線に乗るべく家を出る。企画担当として企画した「ポートフォリオの理論と実践――日本の場合――」に、パネリストとして出席――司会は姫ちゃんに、パネリストのもうひとりにはマリ=フランソワーズに強引にお願ひして受けてもらったのだ――、フランス語で報告せねばならんのだが、結局、読み上げ原稿は完成したが、パワーポイントは未完成のまゝ。新幹線の待ち時間に絵を描き、デジカメで撮影、パソコンに取り込んで、車中で微調整。ペンタブレットもなく、タッチパッドに指で、細かい部分を修正してゐたら、すっかり乗り物酔ひ状態になって、たいさう気分が悪かった。さらに、車内でアンケートデータを入力、グラフ化してパワポに貼り込む。大変な泥縄である。
 理事会の後には編集委員会、総会、そしてゲスト・パネリストの学校教育学の加藤先生と打ち合はせ、シンポジウム本番の怒濤の流れのなか、けっきょく朝飯も昼飯も喰へず、買ってあったコンビニ弁当は、翌朝まで持ち越されることとなった。
 なにしろ準備時間が足りず、細かい点まで云ひたいことを盛り込めなかったが、まづまづの反応。賛助会員の展示場で、すーちゃんに会ふ。なんでも喉に怪しいデキモノのある由。たがひに、もう若くないのだなあ、てふハナシに。
 懇親会は青学向かひの「こどもの城」のレストラン。こゝの青山円形劇場では、その昔、離風霊船の「ラジャー」だったかを観に来たことがある。そして二次会は相野さん、西山さん、石川さんらら9名で渋谷へ。センター試験仲間であった督さんとは、久々の呑み。

(流石、青学の会場。発表者は東京外大の外国人の先生方。幹事長フランソワのほか、ドイツ語、スペイン語、英語と、四カ国語での発表であった)
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2008.05.23(Ven)06:17  教育実習校訪問その1
 朝一からGPの学内ヒアリング。もろもろ指摘を受ける。ヤバイ、かなり書類を書き直さねば。仕事ってのは集まるときには集まるもので、この2週間に、GPと実習校訪問のほか、学会発表、近松プロジェクト、将来構想委員会、将来構想委員会ワーキンググループが固まってゐる。勿論、これを授業の合ひ間にやるのだ。忙しいことこのうへない。 午後は、教育実習校訪問@和歌山県立向陽高校。かつて、出前授業に行ったところである。そのをりには、まさかまた来ることにならうとは夢にも思はなかったのだが。
 JR和歌山から徒歩15分ほど、暑いさなかをえっちらおっちら歩く。訪問の目的は、教育実習生受け入れへのお礼と、実習生の状況視察なので、暑いにもかかはらず、スーツ姿である。
 学校では、教務担当の先生、実習生、実習生の指導の先生と話す。実習生は、いづれも理学部のNさんとSくん。勿論、初対面である。彼らは月曜から来てゐるのだが、向陽は昨日まで定期考査で、じっさいの授業の見学も今日から始まったばかりてふことで、残念ながら実習生の授業ぶりを見ることはできない。Nさんには「また研究授業を見に来てくださるんですか?」と訊かれ、大変心苦しかった。
 さて、向陽を辞して、和歌山まで戻るにあたり、折角なので、向陽の最寄り駅であるわかやま電鉄の日前宮(にちぜんぐう)駅に行ってみる。わかやま電鉄は、JR和歌山から伸びてゐるローカル線で、ワンマン、単線のミニ鉄道だ。これで和歌山まで戻り、ふたたび阪和線上の人となり、学校に戻って、漸く翌日の学会発表原稿を書き始めるのであった。

(向陽高校正面玄関)
(日前宮駅。勿論、改札はない)
わかやま電鉄名物のひとつ「いちご列車」。座席シートも苺柄。ちなみに、もうひとつの名物は、猫のたま駅長である)
  • nozomi (2008/05/29 16:15)
    うわー。どこもやっぱり忙しいんですねぇ。GPとか出前授業とか第三者評価やらやらやら・・・。市大もそんななんて、やっぱりそういう時代なんですね。
  • 黒猫亭主人 (2008/05/30 07:13)
    >nozomi さういふ時代やで〜。やっと書類提出したけど、はたして結果は……(´・ω・`)
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2008.05.11(Dim)06:43  森下裕美『夜、海へ還るバス』(双葉社)
夜、海へ還るバス (アクションコミックス)

夜、海へ還るバス (アクションコミックス)  新境地を開いて手塚治虫文化賞を受賞した『大阪ハムレット』の後に『アクション』に連載してゐた作品――現在は『ここだけのふたり!』が連載中――。タッチは「ハムレット」式のストーリーものだ。
 結婚を控へた27歳のOL夏子は、しかしながら、じぶんがレズビアンではないかてふ思ひに苛まされてゐた。そんな夏子が見るのは、バスに乗る夢。バスは過去へ戻ってゆくらしい。やがて夏子は、おなじマンションの一風変はった人妻・美波と出会ひ、ひょんなことから、ふたりで熱海にゆくことになる……。
 夏子にベタ惚れの婚約者タカトシ、女手ひとつで夏子らを育て、建設会社の社長にもなった夏子の母親、ピアノ・バーのゲイのピアノ弾き、オナベ・バーのタマちゃんら、例によって脇役も個性的な、これは「女性と母性」、すなはち夏子のアイデンティティを探るモノガタリであった。
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2008.05.11(Dim)06:26  外国語教育メディア学会関西支部春季大会2008
 5/10は、外国語教育メディア学会(LET)の関西支部春季大会@神戸市外大。例によって事務局長のK先生に呼ばれ、受付の助っ人として、8:30に参上。ちなみに、最寄り駅は、神戸市営地下鉄学園都市。我が家からは100分。ちなみに一昨年の春季大会は、駅を挟んだ反対側の流通科学大であったが、このときは高速とばして55分であった。
 一昨年の流通科学大のときも雨であったが、今回も雨。これは動員が、と思ってゐたら、豈はからんや、午前中のWSから殷賑を極め、終はってみれば180名と、昨年春季の武庫女を抜き、流通のときの倍以上の動員の大賑はひであった。
 今回、受付のバイトさんは、竹内新支部長のゼミ生で、たがひを「なっちゃん」「みっちゃん」と呼びあふM2の女子たち。会話のついでに小生の年齢を知り、12歳は若く見えると大いに駭いてくれたので些か嬉しかったのであるが、その後の懇親会で、ぽっちゃり体型のK大のYさんに「太りましたね」とお腹を撫でられ、プラマイ・ゼロ。
  • マサコ (2008/05/13 08:11)
    雨の中お疲れ様でした。お世話になりました。リサーチデザインのワークショップ、定員60人と書いてあったのですが、教室内の人数はそれより多かったような気がします…。個人的には収穫大でした。しかし驚いたのは、大学が本当に駅前にあるということ(もうちょっと歩かないといけないと思っていました)と、三宮から地下鉄でかかった時間が梅田‐三宮間とほぼ同じということでした。ともあれ、修論がんばらないと、です。
  • rien (2008/05/15 00:45)
    こんな会が催されてるなんて、教えてくだされば
  • 黒猫亭主人 (2008/05/30 07:07)
    >マサコ 修論がんばっとくなはれ!
    >rien え、教へたら来てくれてた??
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2008.05.03(Sam)05:25  日本國憲法前文@憲法記念日
 高校生のころ、なぜか大阪ではネットされてゐない深夜ラジオを、雑音をかいくゞりながら聞いてゐた。TBSラジオの「パックインミュージック」である。日替はりパーソナリティーであったが、殊に気に入ってゐたのは、故・林美雄アナの「みどりぶたパック」と、「金パ」こと、金曜パックインミュージック。後者は、番組開始時の1967年から終了時の82年まで、唯一パーソナリティー不変で15年間続いた伝説の深夜放送であった。担当は野沢那智と白石冬美。かの「ナッチャコ・パック」である。小生が聞いてゐたころは、丁度、初代ガンダムの放映時であり、その声優として、白石冬美(ミライ・ヤシマ)のほか、野沢那智率ゐる劇団薔薇座の故・鈴置洋孝(ブライト・ノア)、玄田哲章(スレッガー・ロウ)、戸田恵子(マチルダ・アジャン)が出てゐたため、ガンダムの話も、しばしば取り上げられた――ちなみに、ガンダム終了間近の1980年1月4日の放送では、那っちゃんが「俺だけ出してくんないんだよね」「ガヤでもいく! 一回いきたいんだよな、俺」と云ってゐる――。
 その1980年、当時、反戦にまつはる話題が多く寄せられてゐたことから、2月15日の放送では、最後のお手紙にかへて、日本国憲法前文が読み上げられた。そして、チャコちゃんが「すばらしい憲法ぢゃありませんか」と云ひ、那っちゃんは「こゝはほんとに、なんども読みたいですね」とコメントしたのであった。以下に、前文の全文を掲げる。

 日本國民は、正當に選擧された國會における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸國民との協和による成果と、わが國全土にわたつて自由のもたらす惠澤を確保し、政府の行爲によつて再び戰爭の慘禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主權が國民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも國政は、國民の嚴肅な信託によるものであつて、その權威は國民に由來し、その權力は國民の代表者がこれを行使し、その福利は國民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本國民は、恆久の平和を念願し、人間相互の關係を支配する崇高な理想を深く自覺するのであつて、平和を愛する諸國民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、專制と隸從、壓迫と偏狹を地上から永遠に除去しようと努めてゐる國際社會において、名譽ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の國民が、ひとしく恐怖と缺乏から免かれ、平和のうちに生存する權利を有することを確認する。
 われらは、いづれの國家も、自國のことのみに專念して他國を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に從ふことは、自國の主權を維持し、他國と對等關係に立たうとする各國の責務であると信ずる。
 日本國民は、國家の名譽にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

 この理念に、いったい誰が反対するてふのであらうか?

原本はコチラ
  • miyah (2008/05/05 15:54)
    しびれるほど良い文章ですよね。中学生の時に社会科で習って、感動したのを思い出します。本当に平和が一番だと骨身にしみて実感した後なんだろうなぁ、と。
  • yutaka (2008/05/05 22:35)
    日本国憲法前文、完全暗記しています。先日、仏文科のL先生の前でこれを諳んじたところ、先生は大層目を丸くされておられました。
  • 黒猫亭主人 (2008/05/13 07:01)
    >miyah 成立時には、訳文をめぐって色々あったみたいやけどね。これはこれでえゝやんな。
    >yutaka 暗記。すばらしい。

    国会図書館の憲法成立コーナー
    http://www.ndl.go.jp/constitution/

    衆議院の「日本国憲法前文に関する基礎的資料」
    http://www.shugiin.go.jp/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/shukenshi032.pdf/$File/shukenshi032.pdf
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