黒猫亭舊館
黒猫亭主人謹製藏書録・贅言他
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2007.07.31(Mar)04:47  西原理恵子『毎日かあさん4 出戻り編』(毎日新聞社)
毎日かあさん4 出戻り編

毎日かあさん4 出戻り編 毎日新聞連載『毎日かあさん』の4冊目。今号のメインはもちろん、今年の3/20に癌で亡くなった「出戻り父さん」鴨ちゃんのこと。そのために20頁以上の書き下ろしが含まれてゐる。
 この連載――最後の掲載日は没後の3/22だ――にある「・・・。一緒にいろいろな所。たくさん行きましょうね・・・。そう、たくさん・・・」はつひに叶はなかった。だが、こゝの漫画の#26で描いてゐたことは叶ったのだ。
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2007.07.26(Jeu)05:48  憲法9條
 のんびりブログ書いてるヒマはないのだが、選挙前なので。

   第二章 戰爭の放棄
第九條 日本國民は、正義と秩序を基調とする國際平和を誠實に希求し、國權の發動たる戰爭と、武力による威嚇又は武力の行使は、國際紛爭を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戰力は、これを保持しない。國の交戰權は、これを認めない。

 かつて井上ひさしが、旧仮名遣ひを推すのはそれが憲法の仮名遣ひだからだと書いてたが――進駐軍占領下のモノガタリを描いた『東京セブンローズ』は旧仮名遣ひで書かれた――、まさに、小生の旧字旧仮名贔屓もそのせゐ――勿論、後付だが――なのだ。

 なほ、原文は国立公文書館のサイトにて。
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2007.07.26(Jeu)05:34  国立移民の歴史博物館
http://www.histoire-immigration.fr/

パリ12区の端っこ――金色門 Porte dorée [ポルト・ドレ]。ヴァンセンヌの森の隣――の博物館地区――水族館もある――に出来た「国立移民の歴史博物館」Cité nationale de l'histoire de l'immigration [スィテ・ナスィヨナル・ド・リストワール・ド・リミグラスィヨン] のサイト。1820年からの移民の歴史の動画が見られる。
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2007.07.26(Jeu)05:27  ポッドキャスト
 ポッドキャストを用ゐた語学教材配信がヒット中との記事。

http://www.sankei.co.jp/keizai/it/070724/itt070724000.htm

 すでにセルジー・ポントワーズ大学の語学研修では提携してゐる――市大・府大協定の一環としてネタに使はれてる――相手であるが、この企画の立案者にして雁首も載ってる清原先生は、学部からの同級生。文学部のクラス活動をやった仲――いっしょに新歓パンフのイラスト描いたりした――。
 ちなみに、このポッドキャストの日本語男声は、ウチの芝居の常連――準メンバーと云ふてもよいでせう――の本多さん。もちろん、紹介したのは小生だったりする。
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2007.07.26(Jeu)05:17  録音
grp0726052442.jpg 1024×768 114K まだ仕事の怒濤のさなか。
 先週の日曜には教科書のフランス語音声録音。版元の編集者氏につれてかれたのが、京都の堀川今出川西入ルの住宅地にあるスタジオ「タウンハウス」。アパート経営もしてたりの不思議なところで、基本はバンド録音系だが、いつの間にか語学録音もやるやうになったとの由。そして、こゝの社長、会ってみたら、昨年「船場建築祭」で音響助っ人でいらしてた方だった。世間は狭い。

(良い経験をしたと喜んでた留学生ラフとソニア)
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2007.07.14(Sam)06:28  巴里祭2007
grp0714072553.jpg 1024×768 200K そして、金曜は、仏文恒例「巴里祭」。フランス文化の授業の一環として、文学部の仏語履修者を招き、飲食物をふるまふ一種の fête(フェット=お祭)である。もちろん、仏文コースへの勧誘手段のひとつだ。今年の履修者が50人ほどゐることから、飲食物を増量したが、それでも2時間足らずでほゞ消尽された。まこと、わかうどの胃の腑たるや恐るべし。
 今年は、3回生のマイが張り切り、友人ナナ(英文だけど、仏語履修者で小生の教へ子。虫愛づる姫君)の協力を得て、諸々をプロデュース。みんなからフランス写真を集めてディスプレイするとか、食材の選定から、仕込みからなにから、みな仕切ってくれて、大変ラクチンであった。Merci Maï !!
 その他、大先輩からの差し入れや、取材やなんやかやありつゝ、無事、終了。食材やら器財やら諸々ご協力のみなさま、下ごしらへ等で活躍の2回生たち、いつもながら活躍の院生たち、他すべての携はっていたゞいた方々に深謝。
 さらに、このあと4限のフランス語担当者にして仏文OBのK先生、わざわざお越しいたゞいたことに大感謝。
 ちなみに、この日用意したバゲット30本、ガレットは60枚分。シードルやワインは、もうわかんない。笑
 ところで、蕎麦粉のクレープを galette てふわけだが、このブルターニュ名産物は、痩せた土地で蕎麦しか作れなかったブルターニュの事情――現在は、EU の支援などを受けて、それなりの水準みたいだが――がある。このケルト系の土地に、幸あらんことを。

(前夜に、仏文の部屋で予行演習する風景。しかし、一杯やったことが引金になり、結局、前夜祭になってしまった)
  • 砂規 (2007/07/14 22:01)
    豪華ですねぇー。。ダメ先輩としても何か送るべきでした><
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2007.07.14(Sam)05:58  留学支援セミナーと愛蘭土
 続く火曜は教育促進支援機構の「留学セミナー」で、水曜は「進路支援セミナー」。
 留学セミナーでは、ロータリーの奨学金で留学、このほどアイルランドから帰国した R ちゃんの体験談がすばらしかった。ちなみに、彼女、ぼくの1回生担任学生である。アイルランドは、現在 EU 一の移民流入数を誇る国であるが、原因は、やはり好景気。静岡県程度の面積に、400万人ほどの人口だが、好調の主因は、こゝでもIT らしい。
 さらに、木曜は、文学研究科 FD 研究会の第1回目。小生、スピーカーとして、「『教育促進支援機構』の学生支援の取り組みと成果」を報告。尤も、阪和線の事故もあってか、出席者は FD 委員+研究科長他2名。じつに intime [アンチーム](= intimate)な会となったが、さまざまの活動を担ふ学生さんたちに、科長以下、みなさん、甚(いた)く感心の態。まづは、地道な情宣活動は成功か。
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2007.07.14(Sam)05:58  「埋め込み」取材の脅威
 怒濤の一週間。
 まづ、月曜は「市大9条の会」。ご同僚の社会学・土屋礼子先生による「湾岸・イラク戦争におけるアメリカの戦争報道」。
 殊に、embedded と云はれる軍の手法。これは、取材統制をかけた結果、CNNみたいな、謂はゞ「クソ、かうなりゃ、なんでもかんでも、是が非でもスクープだ」派を生んでしまった湾岸戦争の反省に基づき、米軍が、取材に際して、「検閲無しの基本自由。ただし、場所を書かない等、最低限のルールのみ遵守」とし、従軍取材を許可したもの。文字どほり軍隊に「埋め込まれ」、そのチームの一員となって従軍取材することで、記者たちは、やはり、「チームの一員感=米軍派」をいだいてしまひ、「敵=殲滅すべきモノ」てふ一元的価値観を持ってしまふといふ。これは、ナチスもやってたことらしいが、じつに巧妙かつ恐るべきメディア方策と云へよう。
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2007.07.09(Lun)03:55  森博嗣『フリッタ・リンツ・ライフ』(中央公論社 C★NOVELS)
フラッタ・リンツ・ライフ (C・Novels BIBLIOTHEQUE 84-4)

フラッタ・リンツ・ライフ (C・Novels BIBLIOTHEQUE 84-4) このところの書籍集は、リアルタイム更新が叶はず、実際には些か前に購入した本を小出しにすることになってしまってゐるのだが、この本もさう。
 「スカイ・クロラ」シリーズ第4作は、草薙水素(すいと)の核心に迫るハナシ。語り手は栗田で、時系列的には、第2作の『ナ・バ・テア』の次にくるやうだ。
 じつは、このシリーズ第5作目にして、最終巻の『クレイドゥ・ザ・スカイ』のハードカヴァー版は先月刊行済みである。この本のハードカヴァー版も、刊行は1年前。ノヴェルス版を待つのは、鶴田謙二のイラストがつくからに他ならぬ。
 このシリーズ、来年、映画化されるらしい。監督は、押井守。そりゃ、草薙で素とくればさうだらう。
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2007.07.08(Dim)05:48  編入試・社会人入試・大学院入試説明会
 昨日は、梅田スカイビルにて、入試説明会。パーティションで仕切られた大学ごとのブースで、お客さん一人々々に説明する式で、他に大手私学も参加。隣のブースは府大であった。
 小生、この手の業務は初体験のうへ、一般入試ではなく、編入学試験については募集要項発行前てふこともあり、最初はどうなることかと思ったが、文学部の編入試験にかんする質問もおほく、T入試担当課長と看護学科のY先生とともになんとか相談をこなす。しかし、われわれの手にあまる質問もおほく、それらのほとんどには「各学部事務室で訊いてください」。f(^ー^;
 一般入試ではないので、どれほどの人が来るのかしらんと思ってゐたら、10:30開始と同時に、常時4人待ちくらゐのペースで、途切れることなく、気がつけば13:30。いやはや、大阪市立大学についての編入や、社会人入試へのニードはそれなりにあるのだなあと感服。資料――てふか、オミヤゲ――として置いといた『大学案内』は、たちどころに品切れ。おかげで、後半は、全体が大学のサイトで見られますし、来月になったら新しい版が出ますからといふて切り抜けることに。
 16:30までであったが、流石に15時をすぎたあたりから、客足もまばらに。課長の計算によると80名が来ブースしたことになる。
 にしても、生活科学研究科の大学院・臨床心理コースへの希望者が結構ゐたうへ、やはりブースを出してた河合塾が「臨床心理フェア」とかやってるのをみるにつけ、臨床心理の根強い――てふか、過剰な――人気をあらためて実感したしだい。生科の臨床心理には、文学部から進学したかつての教へ子が在籍中だが、彼女の感想を聞きたいものだ。
  • ちあき (2007/07/08 20:55)
    私も先生の推薦で大学案内に載せていただきましたね。
  • makkom (2007/07/09 00:40)
    事前に知らなくて良かった。行ってもうたかも知れない、、、、。
  • 黒猫亭主人 (2007/07/09 02:07)
    >ちあきはん
    大学案内には、かつて何人も紹介したなあ。ちあきのときのも↓で閲覧可能。
    http://koho.osaka-cu.ac.jp/guide.html
    写真は解像度が低いので、ようわからんが。それ以前に、下向いてるけど。笑
    >makkomはん
    え、なに、入試相談に来たって? 人生相談やなく? さういへば、京大のM出て働いてる人が、どっか人文系のDに進みたいんやけどいふ相談もあったなあ。××なこととかに関心があるんですが――それなら○○の院とかですねえ、なんてやりとりも。
  • ちあき (2007/07/09 21:52)
    わー!懐かしい☆しかも若っ!まだ見れるんですねー!!先生どうもありがとう♪
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2007.07.08(Dim)05:41  唐十郎『ガラスの使徒』(アートン)
ガラスの使徒(つかい)

ガラスの使徒(つかい) 下の映画の原作ほか2篇を含む小説集。表題作は、下の映画にも出てゐる中島みゆきの大ヒット曲、かの『プロジェクトX』のテーマ「地上の星」にインスパイアされ、日本の職人さんをフィーチャリングしたものださうで、下のストーリー――映画と原作は、細部において異なる点があるが――のごとく、ガラス研磨職人・池谷(いけや)が主人公。作中、彼のことを指して「〈風の中のスバル〉はこうなった」とか「地上の星が、保険に入っていないのに呆然となった」とか出てきて笑ってしまった。
 併録の「牛丼」は、舞台「眠り草」の小説版で、三社長自殺事件をモチーフとしてをり、もう一作の「マラカス――消尽――」は松山ホステス殺害事件の福田和子逮捕を題材としてゐる。
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2007.07.08(Dim)05:32  金守珍『ガラスの使徒』(プログレッシブ・ピクチャーズ)【DVD】
ガラスの使徒(つかい)

ガラスの使徒 このほど、かつて座付き作家であった鄭義信(チョン・ウィシン)に、自作を勝手に上演するなと上演差し止め仮処分申請をされた新宿梁山泊。演出の金守珍(キム・スジン)は、「話し合ひに応じてもらへなかった」てふが、鄭の退団には、なんぞもめごとがあったのかしらん? 
 さて、その金守珍の映画監督第2作。だが、作品のテイストは、かつての師・唐十郎。それもそのはず、原作・脚本・主演が唐十郎なのだ。
 伝説的レンズ磨き職人・池谷に唐十郎。その工場の専務にして、かつて、倒産したレンズ工場の娘とある約束を交はした男・芹沢洋次郎に、唐組の看板役者・稲荷卓央。とあることから、池谷の助手となる娘に、当時19歳の佐藤めぐみ――金八先生第6シリーズでヒロイン級の赤嶺繭子を演じてゐた。中3にしては大人びた風貌であったが、当時すでに17歳。今回の役も、十代には見えない貫禄。ちなみに、このシリーズ、性同一障碍役を演じて評判になった上戸彩、後の朝ドラ・ヒロイン本仮屋ユイカ、数々の映画に出ることになる平愛梨が同級生であった――。
 その他、整理屋の手下に六平直正(元状況劇場・元梁山泊)、整理屋の取引先に黒沼弘己(元梁山泊)、焼鳥屋のオヤヂに大久保鷹(元状況劇場・梁山泊)、医者役で佐野史郎(元状況劇場)、池谷にレンズを発注する天文台の千晶教授に石橋蓮司(第七病棟)、整理屋の愛人役に余貴美子(元オンシアター自由劇場・元東京壱組)と、演劇系人脈が。
 ほかに、やはり整理屋手下役のコビヤマ洋一ほか、梁山泊からも梶村ともみや渡会久美子らが出演、唐組からは、工場の事務長に鳥山昌克、工場職人に久保井研、整理屋の手下に辻孝彦なんかが出てゐる――唐組看板女優の藤井由紀や赤松由美、梁山泊の三浦伸子も出てたやうだが、キャパレーのシーンか?? 梶村ともみは千晶教授の助手(?)として確認――。
 また、占ひのをばさんで、主題歌も担当してる中島みゆき、古道具屋で原田芳雄、敵役の整理屋には鋭い目付きの山田純大――杉良太郎ジュニアだ――と豪華客演。くはへて、ポイントごとに現はれる――大ラスにも――女の子役に大鶴美仁音(みによん)、ダムに沈んだ湖に潜る小デブの男の子役で大鶴佐助。このふたり、唐十郎のじつの子供である。さういへば、唐十郎は、上の息子の大鶴義丹も、自作――NHKドラマ『安寿子の靴』(1984)。当時15歳。音楽は中島みゆき。ちなみに金守珍も出てゐる――でデビューさせてゐた。美仁音ちゃんは、その後、舞台にも――唐組に非ず――出てるやうだが、役者になるのかしらん?
 例によって、唐十郎のフェチシズムが十全に出た作品。佐藤めぐみの風情が良いが、ラストも含め、特殊効果のチープさは如何なものか。
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2007.07.07(Sam)04:48  渡辺和行『エトランジェのフランス史――国民・移民・外国人――』(山川出版社)
エトランジェのフランス史―国民・移民・外国人

エトランジェのフランス史―国民・移民・外国人 (ヒストリア 26) 文字どほり、étranger(よそもの・異邦人)が、フランス革命による国民国家の誕生によって「非フランス人」として析出されて以降、現代にいたるまでの、労働力不足対策による移民受け入れ傾向と不況による移民排斥傾向とを行き来するフランス史を、国籍や帰化にまつはる法律を丹念にたどることで――著者は、法学部の政治史出身のやうだ――描いてゆく。なるほど、時代によって対象とされる「外国人」は異なるとはいへ、それにたいする心性的構造は、似たり寄ったりであることがよくわかる。
 あとがきに云ふやうに、日本語で紹介されることの少なかった革命から第二次大戦までの実情を中心としたため、戦後から現在に到るまでの叙述はすくないものゝ、1935年の外国人排斥デモに参加した学生時代のミッテランの写真など、興味深いデータが数多く見られる。
 著者は、奈良女子大文学部教授。
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2007.07.06(Ven)04:48  碧也ぴんく『非常のヒト――鬼外カルテ其ノ14 』1(新書館 WINGS COMICS)
非常ノヒト 1―鬼外カルテ其ノ14 (1) (WINGS COMICS)

非常ノヒト 1―鬼外カルテ其ノ14 (1) (WINGS COMICS) そして、現在連載中の、鬼外先生そのひとのモノガタリ。太夫も去り、ひとりきりとなった――弁天のかけらがゐるけれど――鬼外先生のところに、エロではなく純愛をテーマとした小説の依頼が舞ひ込む。先生は、それを機に、その編集者を連れ、一泊二日のルーツを探る旅へと出る。斯くして、福内鬼外こと平賀源内の伝記をなぞるべく、舞台は讃岐高松藩、時代は彼の少年時代に遡る。
 1巻目は、江戸に上り、司馬江漢と出会ふまで。後に洋画家となる江漢の姿は、なぜかギャル男風だ――ちなみに先生はゲイてふ設定――。
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2007.07.05(Jeu)05:48  碧也ぴんく『太夫――Dramatic torso・鬼外カルテ・其ノ拾参――』(新書館 WINGS COMICS)
太夫―Dramatic torso (1)』『太夫―Dramatic torso (2)

太夫―Dramatic torso (1) (Wings comics―鬼外カルテ)太夫―Dramatic torso (2) (Wings comics―鬼外カルテ) 鬼外先生の仲間たちもつぎつぎゐなくなるなか、残ってるのが、300年の付き合ひの「太夫」こと高尾太夫。その彼女を虚空族にしてしまった想ひが、彼女の生ひたちと共にあかされる。すなはち、江戸吉原の三浦屋に売られた女の子が、三浦屋の看板太夫となるなかで、ひとりの男と重大な関係を結ぶ。だが、そこにまた、もうひとりの男が現はれて……。
 歌舞伎『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』や『樅の木は残った』のネタとなる「伊達騒動」に枠を借り、このページのやうな伝説を下敷きとして、太夫のモノガタリが繰りひろげられる。そして、現代。太夫の想ひがどう昇華されるのかは読んでのオタノシミとしても、昇華された以上、鬼外先生のもとを去るてふことだけは、云ふまでもない。
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2007.07.04(Mer)04:44  碧也ぴんく『猫の王国――鬼外カルテ・其ノ拾弐――』(新書館 WINGS COMICS)
猫の王国

猫の王国 生前の強い思ひのゆゑ、それが叶ふまで滅することなく生き続ける「虚空族」となってしまった福内鬼外――すなはち、かの平賀源内――が、人間世界にまぎれて生きる虚空族や妖異族――要は、怪しのモノノケたち――の、人間たちとかゝはるなかで、昇華されたり浄化されたりの姿を描く「鬼外カルテ」シリーズ。今回の主役は、猫マタのカシャ。しばし留まることに決めたある街で、彼は、黒猫のヌヒグルミを抱いたロリータ・ファッションの美埜(みや)てふ女の子と出会ひ、猫と人間たちのモノガタリに巻き込まれる。しかし、そんな彼自身にもモノガタリがあり……。
 自身猫好き――ブログも猫づくし――の碧也(あをまた)ぴんく、猫まっしぐらの作品。鬼外先生はちょっとしか出てこないが、最後に良い台詞を云ふてまさ。そして、このシリーズ――をしへてくれたカシロスくんに感謝――、現在、最終章が連載中。最終章は、他ならぬ、鬼外先生自身のモノガタリである。
  • カシロス (2007/09/02 00:11)
    久しぶりにココにきました♪鬼外カルテもあと2巻で終わりみたいですね〜。
  • 黒猫亭主人 (2007/09/02 00:20)
    碧也さん、もう、次のシリーズに取りかかってるみたいですなあ。
    http://blog.goo.ne.jp/pink-a-gvc
  • カシロス (2007/09/02 00:30)
    次は長崎が舞台ですか〜。楽しみです♪非常ノヒトの続きが一番気になりますけどね・・・。
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2007.07.04(Mer)04:44  大島弓子『グーグーだって猫である』3(角川書店)
グーグーだって猫である(3)

グーグーだって猫である 
前巻から4年半ぶりの第3巻――描かれるのは6年ほど前の世界――は、ホームレス氏から譲られた疥癬だらけの子猫タマの成長やら、5匹の子猫救出物語やら、一戸建てへのお引っ越しやら。グーグーさんはといへば、すっかり家長――てふか、家猫長の貫禄に。そして、あとがきによると、この巻に登場のグーグー、ビー、クロ、タマにプラス5匹で、現在、大島家には9匹の猫がゐるさうな。
 ちなみに、2008年公開予定で映画化されるやうだ。監督はやはり大島作品の『金髪の草原』も撮った犬童(いぬどう)一心。主演は小泉今日子。
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2007.07.04(Mer)05:10  西田東『目を閉じないで』(竹書房 BAMBOO COMICS)
目を閉じないで

目を閉じないで ユリイカの腐女子漫画特集でも取り上げられてたリーマン・モノBL作家・西田東。冒頭作から「次長×課長代理」。そして「眼鏡受け」――巻末作のみ眼鏡攻め?――。いゝねえ。をっさんモノ。


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