黒猫亭舊館
黒猫亭主人謹製藏書録・贅言他
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2008.04.30(Mer)03:36  市大授業2008春
P1000904.jpg 800×600 104K 理学部がずっとやってきた、高校生向けの「市大授業」。この春から、ついに我が文学部も開催することとなり、4/29、その初授業が行なはれた。初回てふこともあり、申込者数は理学部の半分にとどまったが、それでも150程度の参加を得たのはまづまづの辷り出しと云へよう。そして、小生、文学研究科地域貢献推進委員会のオブザーヴァとして、こゝでも裏方稼業にいそしんでゐたわけである。もっとも、谷研究科長みづから出張っていらしったほか、なぜかH係長や事務職員のEさんまで様子見に来ていただいたりと、裏の人出も多くはあった。
 今回、8/7-8のオープンキャンパスの宣伝も行なはれてゐる。今年のオープンキャンパスの小委員会には、昨年度の実績を買はれた教育促進支援機構から学生メンバーが参加。しかも、すでに1回生のスタッフが11名も加はってゐる。高校生相手の説明にも、大学生になってまだ1ト月たらずにも拘らず、堂々たる先輩ぶりらしい。なにしろ、彼女らの宣伝ぶりをみた小林先生が「たまげましたよ!」ト、全くもって小林先生らしい語彙で表現なすったほどだ。頼もしいかぎりである。
 夜は、打ち上げてふことで、学生スタッフと教員ごちゃまぜの懇親会@鳥秀。これこそが文学部の理想型や、と興奮する添田・地域貢献推進委員長がラヴリーであった。

(風が強くて難渋した8号館ピロティ下の受付。助っ人として参上した増田・オープンキャンパス委員と係長) 
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2008.04.28(Lun)03:36  田辺先生を偲ぶ会
P1000900.jpg 800×605 93K リュテスの先輩でもある原田武先生――大阪外大における田辺先生の2年後輩にあたる――らの呼びかけで、さる4/27、京都のみやこめっせ――京都市立勧業会館のことである――で、田辺先生を偲ぶ会が開かれた。献花、黙禱につづき、経歴、著作紹介、想い出と盛りだくさんの内容は、大阪外大、岡山大、そして大阪市立大学、さらに神戸海星女子学院大と、教鞭を執られた4大学にゆかりある人々にくはへ、長年講座を持たれた朝日カルチャーセンターの教へ子らもスピーチに立った結果、3時間に及んだ。
 しかし、改めて著作一覧を見るに、その多いこと多いこと。しかも、こゝ10年は、ほゞ毎年本を出されてゐる。尋常ならざる集中力の持ち主でいらしったのだ。

(同志社大学名誉教授の玉村文郎先生。日本語学がご専門だが、大阪外語時代の同級生であり、最も親しいご友人であった由)
  • shin (2008/06/09 10:26)
    偲ぶ会の報告を拝見させて頂きました。1字1句を目で追うごとに、あの日の情景が目に浮かんでまいります。たくさんの先生方・有志・友人に支えられた人生は、本当に幸せだったと思います。我々の心にともった「灯」は、暗きを照らすだけでなく、光を未来に輝きつづけなければならない。この世に「生」を得ている限り、その意味をかみしめて、この「魂」の意味をいつまでも、考え続けることが必要な気がします。最期に、晩年日記に綴っていた3つの言葉を書かせて頂きます。「『感謝』と『畏れ』と『責務』」。まさしく、この言葉があらわすように、「自己消滅へのなんともいえぬおびえに向き合いながら、人間の真の幸せや愛の本質を我々に重厚な教え」として刻み込んでくれました。パスカルが、「人間が偉大なのは、自分が悲惨だと知っているという点において、偉大なのである。かんがえない人間は創造できない。人間は、考える葦です。」をまさしく地で行く生き方であった。
  • 黒猫亭主人 (2008/06/12 09:35)
    コメントありがたうございました。いや、まさに un roseau pensant は「死ぬてふことを知ってゐる」がゆゑに、死に追ひやるものよりも高貴なのでした。
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2008.04.27(Dim)03:36  近鉄文化サロン共催講座オープニング
P1000883.jpg 800×600 84K 昨年の「学校教育法」一部改訂により、第九章(大学)の第八十三条に第2項が追加された。曰く、「大学は、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする」。すなはち、これまでの「教育・研究」に加へて、「社会貢献」てふものが、大学の役割として増えたわけである。
 てふわけでもないが、昨今、頓(とみ)に、大学の「一般市民向け講座」が増えてゐるやうだ。我が大阪市立大学も、その例に漏れず、このほど、近鉄百貨店の一部門、近鉄文化サロン阿倍野と組んで、「大阪市立大学催講座」を提供することとなり、4/26の土曜日、そのオープニング企画として、金児学長による記念講演が開催された。お題は「日本人と癒し――映画『男はつらいよ』の魅力――」。金児先生の持ちネタである。
 そして、この共催講座の委員会――学長指名の小人数の委員会――の委員たる小生、キャパ270の医学部大教室が、はたしてどれほど埋まるのかについては、大いなる関心を抱かざるをえない立場であったが、幸ひにも、240名ほどの出席を得て、委員長――生活科学部の谷先生――ともども、安堵の胸をなでおろしたしだいではあった。
 前期には小生自身2度も登場することになってゐるこの講座、すでに後期開講科目の交渉にはひってゐる。近鉄側の希望は、常時30講座以上。国文を出た同級生の水谷くんにも手伝ってもらふなど、人脈フル回転の、大忙しではあった。

(ペットを失って鬱状態になってた人が、寅さんを見て癒されたてふマクラ。ちなみに、「ペットによる癒し」は、金児先生の娘さんである金児恵先生の研究テーマだ)
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2008.04.22(Mar)06:14  結城信一『結城信一評論・随筆集成』(未知谷)
結城信一評論・随筆集成

結城信一評論・随筆集成 小沼丹とともに小生鍾愛の作家、結城信一の非創作集成。同じ未知谷から出た全集の余滴である。だが、長男でもあり編者でもある結城信孝のあとがきによれば、全集のメイン編集者であった郡司勝義が、日記や書簡類も含め、非創作を集めた「補巻」の出版を提案してゐたさうで、それが姿を変へたものといへよう。つまり、「補巻」は出ないのだ。企画した郡司が、昨年春に亡くなってしまったからである。
 てふわけで、この本は、結城信一唯一の随筆集であった『作家のいろいろ』(六興出版)の増補版となった。1979年刊の小振りの本である。ちなみに、この『作家のいろいろ』を、小生は、高校生のをり、西武高槻にあったリブロで購入してゐる。そんな時代もあったのだ。
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2008.04.22(Mar)06:01  菅野文『オトメン(乙男)』5(花とゆめCOMICS)
オトメン(乙男) 5 (5) (花とゆめCOMICS)

オトメン(乙男) 5 (5) (花とゆめCOMICS) 公式サイトもできたヒット作の5巻目。りょうちゃんの漢っぷりを改めて見せつける主役バナシ――飛鳥くんは、コンテスト前の一週間、なにをしてゐたのだ?――と、充太くんの幸花ジュエル顔出し危機バナシ――ナマ幸花先生を見られて上気する飛鳥くん――と、サムライファイブふたたびのハナシ。
 ひしかしなんと云ふても、今回――今後も?――のヒットは、乙女の夢を壊さないために、少女漫画家は自らの作品にふさはしいキャラクターであるべきてふ「全身少女漫画家」城之内ミラ先生であらう。なにしろ、ミラ先生の姿は、先生描くところの漫画と同じタッチなのだ。そんなミラ先生のことが、帯裏の「みどころ」に書かれてゐないのは、ワザとに違ひない。なぜなら、カヴァーの後見返しにあるカットは、まぎれもなくミラ先生の瞳だからだ。とまれ、p.132 のお姿を拝見するためだけでも、この一冊は買ひであらう。


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2008.04.19(Sam)07:12  西成プラザ&ココルーム
 本年度初回の教授会の後、船場アートカフェの会議に。今年度から船場にくはへ、西成プラザとの連携もおこなふてふので、新今宮・動物園前下車徒歩1分の西成プラザでの会議となった。ちなみに、こゝ、タケシの下宿のすぐ近所である。
 会議では、花村さん、嘉名さんのACディレクタのほか、「G8対抗国際フォーラム」連携「非暴力直接行動の創造性」をアートカフェで受けませんかてふプレゼンを、西成プラザのHくん――地理の水内さんのお弟子さん――とSくん――元社学の島さんのお弟子さん――が行なふ。さらに、フェスゲー終了で、動物園前1番街に拠点を移したココルーム上田假奈代さんに、釜ヶ崎におけるアート的連帯のハナシを伺ふ。TBSが密着取材中とかで、撮影クルーも同道。船場ACの丁稚――リサーチ・アシスタント。ちなみに、浪花グランドロマンの方は休団中――のエリィが「トイレ連れ込み朗読」の相手として、トイレに拉致られてゐた。エリィ曰く「昔テレビで、トイレに連れ込んで詩の朗読してる人がゐると聞いて、どんな人やろと思ってたのに、まさか自分が連れ込まれることになるとは」ト、感無量の態である。
 いろいろのイヴェント等を思ひつきはするが、こゝでも問題は、やはり、いかにして soutenable(英語のいはゆる sustainable)なものにしてゆくかであると痛感。
 会後はココルームに移動してアフター・トーク。かつてココルームで丁稚をしてゐた教へ子――マイミクのO嬢だ――から假奈代さんのことは聞いてゐたが、オハナシさせていただくのは初めて。なんでも、犯友の武田さんと手紙のやりとりをしてたことがあるさうな。また、ウチのテントへもどうぞと云ふて、0時前に退散。
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2008.04.08(Mar)00:39  新歓キャンプ2008
P1000746.jpg 800×600 92K 4/5〜6と、下のエントリで勧誘してゐた教育促進支援機構主催新入生歓迎キャンプ。今年は、和歌山県の日高の海ぞひにある自然の家で、一泊。片道バスで2時間半の彼方である。じつは、近間はすでに埋まってしまってゐて、部屋がとれなかったらしい。堺市立なので、堺市民は半額なのださうだが、ほとんどゐなかったのは残念であった。
 遠路にもかゝはらず、今年の参加新入生は、なんと84名。しかも、みんな大満足であったらしい。正直、小生や上回生は、まさかこんなに来るとは思ってなかったのだが、たっちゃん、マイコ、チィ、メグ、まさる、ユイら新2回生たちの努力の結果か、みごと去年の倍の定員を達成したのは、あっぱれめでたいといふほかない。くはへて、モリモリ、サキ、森スケら2回生にハッセー、メグミら2部の子らも参加の班長さんたち――「グループ・リーダ」と呼ばれてゐる。ちなみに、「社会人枠」で、就職したばかりのマコトが呼ばれてゐたのには駭いたが――の活躍ぶりも目覚ましかった。レイちゃん、やっしー、カジら、去年のスタッフに、進路支援チームのユウスケ――ファイアーのときのハジけっぷりが新鮮だったが、案外、さういふ本性なのではあるまいか――ら、そしてアニキ・ヒデアキに総元締めのダイと、先輩連のバックアップももちろんあったが、まあ、人間とは成長するものなのだと、あたりまへのことを再認識した二日間ではあった。

(好評だった2日目の時間割講座。翌日にあった学部の公式ガイダンスのアンケートで、「昨日のキャンプの説明の方がわかりやすかった」と書かれたのはこゝだけのハナシ)
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