佐原ミズ『マイガール』5(新潮社 BUNCH COMICS)、羽海野チカ『3月のライオン』5(白泉社 JETS COMICS)

By 黒猫亭主人, 2010/11/26

マイガール 5 (BUNCH COMICS)3月のライオン 5 (ジェッツコミックス)なにやら雑誌が急遽廃刊で、慌たゞしくラストになったやうだが、つひに完結『マイガール』。正宗くんと片桐さんは交際をはじめたものゝ、陽子さんてふ「永遠の不在=絶対者」をめぐり、ギクシャクする。そしてコハルちゃんも亦。

コハルちゃんの成長を描くとみせて、正宗くんの成長譚であるこのオハナシは、永遠の不在者である陽子さんが、永遠の実存者であるコハルちゃんのなかにじつは存在し、死者=不変てふ図式を否定してゆくモノガタリでもあった。

「大事な人の事 想ってした事なのに そんな顔 していたんじゃ それが 良い事なのか 悪い事なのか コハルは分からなく なっちゃうよっ」(p.206)

ラストは、ちょっと近未来、中学生になったコハルちゃん――とカンナちゃんと秋くんも――の姿がみられる。

いっぱう、こちらも桐山零くんの成長譚――を軸に、周囲のひとびとも成長してゆく――である『3月のライオン』のはうは、島田さんが故郷でいかに慕はれてゐるかてふハナシにはじまり、あたらしい和菓子作り、「放科部」こと放課後理科クラブあらため「将科部」こと放課後将棋科学部の設立、後藤さんの奥さんのこと、いぢめられてる同級生をほっておけず、いぢめグループに立ち向かったひなちゃんにいぢめの矛先が向けられるまでを描く。

じつは、掲載誌『ヤングアニマル』を毎号あがなってゐるので、中身はぜんぶ既読――トおもってゐたら、ふだんはあとがき漫画につひやされる巻末の4ページが、描き下ろしの Chapter 53 として追加され、いぢめバナシにもオチがついてゐるではないか。さうして、『マイガール』の重要アイテムであった「テンタウムシ」が、こちらでもフィーチャリング。

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2 Comments

  1. まぁき より:

    マイガール最終巻、海月姫出演中の斎賀みつきさんのブログ
    http://blog.animate.tv/saiga/?itemid=9103
    で紹介されてたので、
    「あれっ?黒猫亭さん、レビューだしてたっけ?」
    と思ったら出てました。さすがです(笑)
    早速買わねば!!

  2. 黒猫亭主人 より:

    泣きましたよ、『マイガール』。いやね、最近、漫画のレヴュー書くヒマがなくってさ。ブログ更新してるヒマがあったら、シゴトしろと云はれさうで……f(^ー^;
    でも、もちろん『海月姫』も買ひましたよ。レヴューもしちゃひましたさ。