東村アキコ『海月姫』6(講談社コミックスKiss)、『主に泣いてます』(講談社 モーニングKC)

By 黒猫亭主人, 2010/11/27

海月姫(6) (講談社コミックスキス)主に泣いてます(1) (モーニングKC)アニメにもなった『海月姫』。稲荷さんは韓国語学留学中の千絵子の母・千世子に直接アタック。いよいよ地上げの危機の天水館(あまみずかん)にたいして、蔵之介のとった作戦は、新ブランド Jellyfish のファッションショーを、天水館で開催すること。お客は、父・鯉淵慶一郎の議員生活30周年記念パーティ来場者。まややを連れて会場にのりこみ、全員をひっぱってこようてふ作戦である。瞳のおっきな「ベライス」を娘といふてはばからないノムさんてふ新戦力を得た尼~ずたちの戦ひの火ぶたが切って落とされた――てな感じ。にしても、三国志ガチャポンで買収され、スーパーモデルになっちゃったまやや様の変貌ぶりがすごいぜ。

いっぱう、『ひまわりっ』連載終了後、休みなく開始された新連載の『主に泣いてます』。素顔を見た男性ことごとくに惚れられてしまふため、まともな社会生活がおくれず、しかも東京美大教授にして巨匠の青山先生のモデル兼むくはれない愛人として日陰の生活を余儀なくされる薄幸の美女・泉さん。彼女を助けるのは、美大をめざす女子中学生つねちゃん。そこにあらはれたのは、単位のために青山先生不在中の絵画教室のバイトをまかされた美大生・赤松くん。これまで、幾多の美大生バイトたちを廃人にしてきた泉さんに、警戒心なく接してもらふべく、なぜか男色家てふ設定をあたへられてしまふのであった。

ちなみに、泉さんは、人前にでるときは素顔を隠すためにさまざまの変装をするのだが、水木しげるキャラか基本のやうだ。くはへてゲンセンカン主人――つねちゃんは、水木つながりでか、つげ義春も好きらしい――とグレート・ムタ、クルーンほかもあるぞ。
そして、タイトルの由来は、第1巻の最後であきらかに。

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