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★2006.03.30(Jeu)07:17
近松プロジェクト
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 | マイミクももいぬろう氏（照明スタッフ）のところで日々報告されてゐる近松門左衛門の『堀川波鼓（ほりかわなみのつづみ）』を、イギリス国立ハル大学の藝術社会学部音楽演劇学科の教員と学生からなる近松シアターカンパニーが上演するプロジェクトで「テクニカルスーパーヴァイザ」なる肩書きを貰ってゐる。その実体は、限りなく走り使ひに等しい。なにしろ、予算が徹底的にないので、チラシもパンフも外注できず小生が版下を作ったほどだ。これは、我が大阪市立大学大学院文学研究科に「降ってきた」プロジェクトで、それが小生にも回ってきたのは、たぶん日頃の行なひが悪いせゐだらう。もちろん、悔い改める気は寸毫もないが。
この仕事にくはへ、今月後半は6つの仕事が重なって、はっきりいふと地獄の苦しみ、仕事は常に take out、ブログを更新するヒマもないありさまである。にもかかわらず、本日更新してゐるのは、忙中閑在るためではなく、本日が初日で明日が楽日だからに他ならない。お暇ならどうぞ。入場無料。
場所 精華小劇場（〒542-0076 大阪市中央区難波3-2-4）[地下鉄御堂筋線なんば駅下車出口11番から東へ、パチンコ四海楼と居酒屋赤垣屋の間を南へ。徒歩5分]
日英近松劇上演プロジェクト
Tsuzumi-drumbeats over the Horikawa
湯浅版 「堀川波鼓」
（第二回近松プロジェクト公演）
原作 近松門左衛門
翻訳・戯曲・演出 湯浅雅子
出演 ハル大学近松シアターカンパニー
上演言語 英語
日時 2006年3月30日(木)19時半
2006年3月31日(金)17時[アフタートーク有]
（受付開始：開演１時間前、開場：開演30分前
http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/lit/chikamatsu/
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★2006.03.06(Lun)08:28
A-1 Grand Prix
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 | 昨日は船場アートカフェ。Community-Collaborative Art（略称 Coco-A [ココア]）てふ、アーティストが周囲のひとびとと一体化して、参加者が創作者でありかつ享受者となる「共同体の協働を志向するアート」の企画として、「しだいテレビ」（大阪市立大学附属病院で入院患者さんを相手に行なはれてゐるアート・ワークショップ・プロジェクト）参加のアーチストたち（美術家、建築家、映像作家、ワークショップ・プランナetc）が、トール・バトルを繰りひろげるてふ Artist Grand Prix すなはち「A-1」が開催されたのである。例によってぼくは撮影となんやかや。ヴォランティア学生スタッフ（ふたりともかつての教へ子）に「先生は何しに来たんですか？」とか訊かれるが、こゝのディレクタなので、イヴェントには取り敢へず参加するのであった。
病院庶務課のH係長お手製のリング（壁面の鏡を利用して四角くなるやうになってゐる）のなか、2チームに分かれた5名と司会1名が、WSの内容説明とふだんの自分の作品紹介でバトルののちトーク・ショー。トーク・ショーは意外に普通であったが、ほとんど関東人のアーチストたちが「おもんない」てふ関西的評価にショックを受けたことを告白してたのが興味深かった。
勝敗の方は、観客の投票により、男性陣からなるチーム・ドリーム・プロデューサーズが勝利。残念ながら動員がちょびっとで、情宣の大切さをあらためて確認すると同時に、こんなことを市大病院がやってることをもっと知らしむ方法はないかと思ったが、これは大学の広報・ホームページ委員としての感慨。
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★2006.03.05(Dim)07:30
須藤真澄『庭先案内』1（エンターブレイン BEAM COMIX）
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『庭先案内(1)』
 須藤真澄の本領、日常に紛れ込む奇妙な世界の短篇集。
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★2006.03.05(Dim)07:02
山野りんりん『じゃじゃ猫に日々首ったけ』（竹書房）
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『じゃじゃ猫に日々首ったけ』
 読者からの投稿を漫画にしたもの。
山野りんりんは、瞳の描き方に特徴があって、それは猫の眼にも活かされてゐる。昔は叮嚀であったが、4コマに転身して、ずいぶん描き込んだせゐか、今はちょっと簡略化されたが、それでもハイライトは健在。
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★2006.03.03(Ven)21:32
山田登世子『晶子とシャネル』（勁草書房）
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『晶子とシャネル』
 その昔、ウチの中島先生とご一緒にエレミール・ブールジュの『神々の黄昏』の翻訳をお出しになった山田先生、当時は balzacienne であったが、今やすっかり仏蘭西文化史学者とおなりになった。
その山田先生の最新作は、20世紀初頭の同時代人、與謝野晶子とココ・シャネルを「魂の姉妹」として同時に語る大技である。1910年代に鉄幹と共にパリに滞在したこともある晶子とシャネルの数奇な縁も勿論あるのだが、それより二人の女性の相似形を語った本のやうである。
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★2006.03.03(Ven)21:11
アンドレ・マルティネ『「印欧人」のことば誌――比較言語学概説――』（ひつじ書房）
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『「印欧人」のことば誌―比較言語学概説』
 ソシュールの孫弟子（師匠は、アントワーヌ・メイエ）にして、「二重分節」の発見者、フランスの大言語学者 André Martinet は、ゲルマン語学から出発したインド・ヨーロッパ語学者でもあった。これはその最晩年の著書の翻訳である（原著タイトルは Des steppes aux océans - L'Indo-européen et les "Indo-Européens" - [デ・ステップ・オ・ゾセアン――ランドウーロペアン・エ・レ・ザンドウーロペアン]（草原から大海へ――印欧語と「印欧人」――）。文字どほり、印欧語の歴史、比較、文化について論じ、インド・ヨーロッパ語の話し手とは何者だったかに迫った本である。
訳者は大阪外大助教授の印欧語・スラヴ語学者・神山孝夫。
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★2006.03.03(Ven)21:01
細谷昌志編『異文化コミュニケーションを学ぶ人のために』（世界思想社）
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『異文化コミュニケーションを学ぶ人のために』
 大学入試問題集、所謂「赤本」で有名なのが京都の教学社。かつて、わが友人MやYたちが務めてゐたところである。こゝの社長は京都市で五本の指に這入る資産家ださうだが、その社長、若き頃、京大・瀧川事件に感銘を受け、社会科学書を世に送る出版社を作った。それが世界思想社である。
この世界思想社の「〜を学ぶ人のために」シリーズの一冊。執筆者の顔ぶれを見るに、大阪外大のリレー講義かなんかの教科書のやうである。「異文化」キーワードに、殆んど何でもありのアソート。フランス関係では、フランス史学者・阿河雄二郎先生が、フランス近世の都市の発展史について書いてゐる。
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★2006.03.02(Jeu)01:24
西本武彦・林静夫編『認知心理学ワークショップ』[新装版]（早稲田大学出版部）
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『認知心理学ワークショップ―実験で学ぶ基礎知識』
 1999年に出された心理学専攻生用の教科書の新装版。聴覚、記憶、価値判断などの「心理学的課題」にかんし、概説とそれを検証する基本的実験方法が説明され、それにしたがった実験をじっさいにやってみることが可能となってゐる。具体的手順が示されてゐるだけに、たいへん興味深いし、所謂「とっつきやすい」内容である。
しかし、反認知論者のぼくとしては、常々、斯様な実験が100%の結果を生まないことに無関心すぎるのではないかと思ってゐる。ようするに、万人のうちひとりでも違ふ反応をしたならば、その人の「認知構造」は「異常」と看做されるべきかてふ問題を、華麗にスルーしてゐるとしか思へないのだ。Aの反応が80%、Bが20%てふ社会を運営してゆくうへでは、8割のAタイプ構成員に対応しておけばOKであらうが、だからといふて、勿論それは、Bタイプの人間が「をかしい」といふことではない。にも拘らず「人間の認知メカニズムは斯々然々」と云ひ切ってしまふのは如何なものか。量的分析には常に注意すべきなのだ。
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