唐組第43回公演は、台東区三ノ輪のお汁粉屋「デカダン」を舞台に、そのデカダンに居候する似顔絵描き・泡之二郎(稲荷卓央)が、最期を看取った隣町南千住の元炭坑夫の老人・波原(辻孝彦)に手渡された、黒い表紙の就労証明手帳をめぐるモノガタリ。敵役は、その黒手帳を回収しようとする合板製作会社社長の暮谷(くれや; 久保井研)と、その弟にして介護老人支援の職にある偵三(鳥山昌克)――ラスト近くには、南千住いろは商店街会長の千住(辻孝彦)も参加――、守らうとするのは、二郎のほか、かつての似顔絵描き仲間・田口(唐十郎)と横路とデカダンの店員・庵(赤松由美)。二組の間で、黒手帳は文字どほり引き裂かれるが、そこに手を差しのべるのは、夢野久作の「斜坑」を諳んじる少年・玄児(大鶴美仁音)。讀賣新聞に連載の『朝顔男』で仕込んだ「海底炭田」のネタと、唐領域の台東区、これまたお馴染みの物神崇拝(フェチシズム)が一体となった作品だ。
藤井由紀が不動のヒロインだったため、このところずっと二番手だった赤松由美が、昨年秋の「ジャガーの眼」でくるみに続き、今回もヒロイン役。前髪があって、大層可愛い。ふくよかな彼女は胸も大きいが、その胸元も見せつけつつ――「ブラジャーの間に黒手帳を挟むことができる」役――の熱演であった。
そして、やはり昨年秋の「ジャガーの眼」で少年を演じた大鶴美仁音(みにおん)――ご存じのとほり、唐十郎の長女。まだ17歳。名前は勿論フランス語の mignon [ミニョン](可愛い)からであらう――が、同じやうな衣裳で少年を演ずる。二郎・庵とともに、ラスト・シーンもいただきだ。今後も出続けるのかしらん?
また、「預けた赤子を迎へに来る魚八の奥さん」てふチョイ役であったが、土屋真衣の声が大層ハスキーで気になった。かつてのヒロイン小名紫のごとく、男装ヒロイン候補ではないか。
それにしても、丸山厚人(あつんど)くんは、なにゆゑ缺場??
失礼します、通りすがりの者です^^
私も今晩、唐組行ってきました。
3列目なんていうロケーションはテント芝居には不向きでした・・・。
わが最愛の厚人くんは、昨秋退団されました(爆泣)。
いまは、大阪松竹座で十朱幸代と共演されてます。
http://ameblo.jp/atsundo-maruyama/
おやおや、さうでしたか。
お父様から二代続いてのテント人生、ひとまづ打ち止めですな。