『ふらんす』2014年11月号

By 黒猫亭主人, 2014/10/27

『ふらんす』2014年11月号(白水社)

『ふらんす』2014年11月号(白水社)

あみーご編集長の手になる『ふらんす』の11月号は、かねて予告のとほり Romain GARY 特集。堀茂樹さん、高頭麻子さん、岩津航さんが書いてらっしゃる。
じつは、ファンのおほいロマン・ガリ。小生も、『白い犬』Chien Blanc を角川文庫で読んで以来のファンである。当時院生であった小生は、文学系の研究会――院生もおほかった当時の仏文では、語学と中世の森本研究会ほか、いくつか研究会が組織されてゐたのである――で、ガリをとりあげ「不機嫌の時代」として報告したこともあるくらゐだ――ちなみに、シリーズとして、ヴィアンやクノーについてもやる心算であった――。

そんな小生の鍾愛の文章は、しものものである。

Je ne suis pas découragé. Mais mon amour excessif de la vie rend mes rapports avec elle très difficiles, comme il est difficile d’aimer une femme que l’on ne peut ni aider, ni changer, ni quitter.
(Romain GARY, Chien Blanc)

ぼくは絶望してゐない。けれど、ぼくは人生をひどく愛してゐるために、ぼくと人生の関係はたいへんむづかしいものになってゐる。ちゃうど、たすけることも、変へることも、わかれることもできない女性とつきあふことがむづかしいやうに。(ロマン・ガリ『白い犬』)

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