震災について知っておいてほしいこと――山名さんのメール

By 黒猫亭主人, 2011/04/04

理学研究科の村田先生――生協の理事仲間でもある――からの要請で、JR杉本町駅に東口をつくりバリアフリーをめざす会のMLに参加したのが2008年8月のこと。まことに多士済々の運動体であり、小生などシンポのポスターを3種類ほどつくっただけだが、そのなかのおひとりに、山名勝さんがいらっしゃる。山名さんは、電動車椅子でどこでもゆけるバリアフリーの世界を目指して諸々行動されていらっしゃるのだが――山名さんのブログ http://kurumaisyu.exblog.jp/――、このたびの震災について、JR東口の会のMLに、以下のやうなメールをポストされた。ひとりでもおほくのかたに知ってほしい内容だったので、諒解を得て、以下に転載させていただく。

 

みなさまへ東日本災害支援について、知って頂きたいことをいくつかお知らせします。

・義援金
どのようなルートからの募金も、特定の相手先へ直接送られる支援金の他は「日本赤十字」か「赤い羽募金」に一旦集められます。
集まった募金は県単位で設置される「配分委員会」によって公平に分配されます。
阪神淡路大震災の時は兵庫県だけでしたから、震災1週間後には暫定配分として、一人10万円が支給されましたが、今回は多県にわたり、また役所ごと被災している町村もあったり、被災者の数が確定されず、未だに配分委員会ができていません。
県単位でなく、広域の配分委員会を作る方向で検討されているようです。
現在、日赤と赤い羽合わせて1000億円以上の義援金が集まっているとのことですが、まだまだ増えるようです。
特定のところに使われる募金として代表的なのは、阪神淡路大震災を機に作られた「ゆめ風基金」があります。これは災害時に一番困った障害者などのために基金を作ろうと設立され、「一人年間1000円を拠出し10年続ける人を10万人集めて10億円の基金を作ろう」というもので、代表者は市大講師もしている牧口一二さんです。
今回はいち早く現地へ入り実情を調べ、既に多くの支援を行っています。
全国的に募金活動中ですが現在4000万円を超しているとのことです。
できれば障害者支援はこの基金へお願いします。
http://homepage3.nifty.com/yumekaze/

・支援物資
各自治体で相手先や品目を分担を決めて支援しようとしています。
被災地からはいろんな要請がありますが、高齢者が杖を持たずに避難して困っているので「杖や歩行車を集めて送ろう」(横浜リハビリセンター)など、今は具体的な要請に応えるようにという段階です。
必要な物は時間経過によって変化するので、何が必要かをよく聞いて支援しようとしています。現地直接は避難所などに届ける能力のある企業やNPOなどに限って受け入れていますが、支援物資の届かない避難所以外の個人宅などへトラックで現地へ入り、届けている人達もいます。
女性に櫛を配ったらすごく喜ばれたとか、ちょっと気付かない必要品もあるということです。

・ボランティア
神戸の時と違うのは「日帰りで行けない」「使える拠点がない」などということで、今は自衛隊や消防や警察などの他は現地の方々が主体で、ボランティアは経験のある専門的な人が拠点つくりや調整役を行っている段階です。
ゆめ風基金は専従者を2ヶ月の予定で仙台に派遣し、支援センターでコーディネイト役をしています。
一般のボランティアを受け入れられない最大の理由は「宿泊キャパがない」「がれきの撤去など済まない間は危険」「水やトイレなどインフラが回復していない」などですが、みんな疲れてきているので能力のあるボランティアの派遣はいくら多くても良い段階に至っています。
要は自活能力のあるボランティアでないと、まだ迷惑になってしまうという問題をどう解決して活動すれば良いかなのですが、、、。

多くの点で阪神や新潟などの経験が役立っていますが、被害の深刻さや範囲の広さで、これまでの経験だけでは対応しきれないことも多いようです。
現地での支援では対応しきれないと、集団や個人の避難受け入れが各地でなされ、関西にも既にかなりの人が来ていて、このような方へのボランティア支援も求められています。
特に高齢者や障害者や特定の病気の方は現地での避難生活はムリと、受け入れ先を捜しています。
被災地の透析患者を1100人も受け入れ先を捜して各地へ搬送した例や、東京や名古屋で障害者施設ごと受け入れなど、様々な取り組みが行われています。
被災地では医療関係者や介護ヘルパーなども被災していて、深刻な人で不足で、全国的な受け入れが求められています。

お時間のある方は下記もご一読ください。
http://kurumaisyu.exblog.jp/i24/
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山名 勝(大阪市身体障害者相談員)

 

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