去年は、夜にやったNHKのドラマ『その街のこども』がすばらしかった。脚本は「ジョゼ虎」の渡辺あや――南女OGであり、西宮の実家が被災。本人は結婚して神戸にはゐなかったらしいが。ことし後半のBK制作朝ドラ「カーネーショん」の脚本をやるらしい。ちなみに、岸和田出身コシノ三姉妹のおかんである小篠綾子の伝記――、演出は「ハゲタカ」などの井上剛、役者は、じしんも被災者である森山未來と佐藤江梨子。音楽は大友良英――森山未來もバンドにくははってゐる――、テーマを歌ったのは阿部芙蓉美――えゝ歌や――。エンディング・シーンは、放映当日の朝、東遊園地で収録されたもので、音楽も、その映像にあはせて選ばれたさうな。巷でも好評だったらしく、劇場版もつくられた。いっしゅのロード・ムーヴィーであるこの映画の魅力は、もちろん情緒的なぶぶんにあるのではない。
そもそも、「記憶」は貯蔵されてゐるものではなく、相互行為によって、そのつどそのつど「構成」されるものだ。必要なのは「想ひ出」ではなく、ひとびとが語りあふ相互行為の「場」なのだ。
てふわけで、今年もリンクを張ってしまふが、小生の「語り」はこちら。震災転校生をネタにして書いた芝居はこちら。
はからずも、ことしのは、16年前とおなじく、本日17日が卒業論文の提出〆切であった。